VHSビデオテープの分解組立は意外と簡単!
ビデオテープを分解してみたいと思ったことはありませんか?
テープが切れてしまったり、巻き込んでしまったために、ダメージを受けたテープを補修したいと思っても、分解方法と組立方が分からなければ、躊躇しますよね。
やっぱり、もとに戻せる自信がないと、なかなか手を出せないのが本音だと思います。
こちらの豆知識ページでは、そんなあなたのために、VHSビデオテープの分解方法と組立方法をまとめました。
このページを読むことで、安心して、ご自身でVHSビデオテープの分解・組立が出来る様になります。
それでは始めましょう!
VHSビデオテープの分解方法
VHSビデオテープは、表側と裏側の2つのカセットパックを、5本のビスで留めている構造となっています。
さすが、昭和の逸品と言うことで、最高のメンテナンス性を持たせた手間のかかる製造方法を取っていたのです。
生産コストを考えると、ねじ止めはネックになると思うのですが、そんな事よりもメンテナンス性を重視していたわけです。
そのおかげで、古いビデオテープにテープ切れなどの問題が起きても、簡単に補修できるわけです。
カッターとプラスドライバー(M3用のNo.1ドライバー)が必要です。
ピンセットがあると、テープルート設定が容易になります。
背面ラベルを切断する
分解の最初の工程は、テープの背面に貼られた背ラベルを、半分に切る作業です。
VHSビデオカセットパックは、表側と裏側の二種類のカセットケースをビスで固定して作られています。
背ラベルは、その二種類のカセットケースの合わせ目に貼られているため、カセットケースを分解して取り外そうとしても、ラベルでつながった状態となり、分離することができなくなってしまうのです。
あらかじめ、ラベルを半分にカットしておくことで、カセットケースが分離できるようになります。
二つカセットケースの合わせ目は、カセットテープの中央エリアに筋の様に見えます。
その筋に沿って、カッターの刃を入れてカットします。
再組立て後、カット部分はぴったり付くので、カットした事がほとんど分からない様になります。
筋に合わせて定規を置き、カッターを走らせると、きれいに切ることが出来ます。
ビスを外す
いよいよ、VHSビデオテープの分解工程に入ります。
テープを裏返しにします。
たくさんの穴が開いていると思いますが、よく見ると、テープ四隅付近とテープ中央付近でビス固定されているのが分かると思います。
このビスは合計5本ありますが、これらを全て外していきます。
順番は、あまり関係ありませんので、好きな場所から外していけばOKです。
テープメーカーによっては、中央付近のビスが特殊な形となっている場合があります。
この特殊ビスヘッドに合うドライバーは入手困難と見られますので、小さめのマイナスドライバーを使って、外してみてください。
なんとか、外すことが出来ると思います。
ビスは、M3系統のビスですので、一回り小さめのプラスドライバーが必要となります。
一般に、一番多く使用されているビスはM4系統のビスですので、一般的に使用されているプラストライバーでは、ビットの形状が大きすぎて、合いません。
3mmビス用のNo.1プラスドライバーを使ってください。
ビスを外して、すぐに裏側のカセットケースを取り外さないでください!!
逆さまの状態でケースを外すと、中の細かい部品が全部バラバラになって、落ちてしまいま~す...!
収拾がつかなくなります! 焦ります...!
表側カセットケースを外す
ビス5本を外したら、そのままカセットテープをひっくり返して、カセットケースの表側が上にくる方向で、テーブルなどの上へ置きます。
そして、裏側ケースをテーブルに押し付ける様に片手で固定しながら、表側カセットケースをそっと持ち上げましょう。
背ラベルがきれいに切れていないと、うまく外れないかも知れません。
そのような時は、背ラベルに再度切れ目を入れるなどの対策を施しながら、表側カセットケースを外していきます。
背ラベルさえ、きちんとカットされていれば、簡単に外れる筈です。
表側カセットケースが外れましたら、中身を良く観察して下さい。
特に、テープがどこを通っているのかが、注目点となります。
カセットリールを外す
次にテープリールを外します。
テープリールを手で持って、垂直方向に持ち上げます。
垂直方向に持ち上げれば、引っ掛かりや部品の脱落などを気にせずに、テープリールを取り外せます。
必要に応じて、外したテープリールに対して、テープ切れやダメージなどの補修作業等を、進めてください。
その際、裏側カセットケースには、触らない様にしてください。
裏側のカセットケースには、細かい部品がたくさんついていて、逆さまにすると、部品がボロボロ落ちる状態です。
面倒を起こさないために、リール補修作業場所から遠ざけるなどの配慮が必要です。
VHSカセットパックには、ビデオテープが弛んでこない機構が仕組まれています。
それがリールロック機構です。
写真の様にフックが、リールについた歯車に、がっちりと固定されています。
リールは、テープがピンと張る方向には進みますが、緩む方向には進まない構造となっているのです。
ビデオテープを、テープデッキに挿入して再生する時には、デッキ内部で、テープを引っ張り出してヘッドに巻き付ける必要がありますので、ロック状態を外す必要があるのですが、そのロック状態を外すためのロック解除穴が、裏側カセットの中央部分にあります。
ロック解除穴に、棒などを差し込むと、写真の指が抑えている方向にレバーが動き、リールロックが解除されます。
テープのリールを回したい時には、カセット裏側中央部のロック解除穴に棒状のものを差し込み、ロック解除して下さい。
棒で押している間は、自由にリールを回すことができます。
リールを動かしたときは、最後に必ずテープがピンと張る位置まで、リールを戻して下さい。
VHSビデオテープの組立方法
分解できたから、組み立てるのは簡単....って思いますか?
実は、難関部分があるんです。
それは、テープが通る道です。
テープを裏側のカセットケースから外してしまうと、テープがどこを通っていたのかが、分からなくなってしまうのです。
丸いスリーブが結構あって、そのスリーブのどちら側を通るのが正解なのか...?
どっちだっけ...と迷います。
でも、心配はいりません。
下の写真を見れば、どこにテープを走らせればよいのかが分かります。
テープパス位置を定める
上の写真は、巻取り側(右側)のテープパス位置です。
金属スリーブとプラスリーブの間を抜ける様にテープを挿入します。
上の写真は、供給側(左側)のテープパス位置です。
巻き取リ側と同様に、シャフトとスリーブの間を抜ける様に挿入します。
シャフトには、パッドの様な部品が寄り添って取り付けられています。
テープは、このシャフトとパッドの間を抜ける様に通らせます。
シャフトとパッドでテープを挟む感じです。
この部品で、テープ走行の安定性を、確保しているのですね。
テープリールをセットする
テープパスがセットできたら、左右のリールを裏側カセットケースにはめ込みます。
リールロック機構のツメがリールの下についている歯車にハマるようにセットします。
左右のリールが、傾きなくハマっていることを確認します。
テープのたるみを取る
左右のリールを回して、テープが張った状態にします。
カチカチと言う音がして、テープが張ってくれば、リールがリールロック機構に正しく装着されていることが分かります。
テープを張っている時に、テープパス位置が上下方向にずれることがありますので、注意してください。
テープが弛んだまま、表側カセットケースをハメると、テープを傷つけますので、注意が必要です!
カセットケースをハメて固定する
リールが装着できたら、表側カセットケースをはめ込みます。
バネがついているので、カセットケースが浮いた様になってしまいますが、上から手で押さえつけてはめ込みます。
カセットケースのはめ込みが完了したら、裏返しにしてビス止めします。
ビス止めの順番は、中央のビスから始めると、安定して固定できます。
ねじトルクは、あまり強くしないでください。
プラスチックへの直接固定ですから、強すぎるとねじバカになってしまいます。
おめでとうございます。
これで、組立完了です。
怖がらないで、ビデオテープを分解してみましょう!
意外と簡単です。
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