MiniDVとは
MiniDVテープは、日本で最初に導入された「家庭用のデジタル記録方式のDV規格」が記録できるテープです。
発売開始当時、他に家庭用のデジタル記録方式は無かったので、軽量コンパクトなのに、圧倒的な画質の良さのある画期的な商品でした。
家庭用初のデジタル規格であるDV規格を記録できるテープは、小型ビデオカメラ用のMiniDVテープと、据え置きビデオデッキ用の標準DVテープの2種類あり、使用する用途と記録時間の違いによって選択されていました。
MiniDVテープも標準DVテープも、全く同じ内容が記録されるのですが、テープカセットパックの大きさと記録時間が違うと言う関係です。
MiniDVテープを使用したカムコーダの販売により、MiniDVテープの方が多く使用されました。
と言うことで、こちらのページでは、MiniDVのテープとDV規格について解説することにします。
MiniDVテープの外観
上の写真は、MiniDVテープの外観です。
MiniDVカセットパックの大きさは、横幅66mm × 縦48mm × 厚み12mmのコンパクトなサイズで軽量です。
ビデオテープ幅も6.35mmとコンパクトになり、8mmビデオテープよりもさらに小さくなりました。
MiniDVカセットパックの発売当初、テープ価格がHi8の3倍ほどもあったため、なかなか普及しなかったのですが、テープ価格が下がった2000年ころから販売が急速に伸びました。
DV規格の概要について
DV規格は、1994年に発表された規格です。
日本のテレビ方式(NTSC方式)の動画が、デジタル方式で記録再生できるデジタルビデオ規格の一つで、家庭用ビデオのデジタル化の先駆けとなった画期的な規格です。
このDV規格を採用しているのは、MiniDVテープと標準DVテープで、後にこのDV規格がSD映像規格となり、SD画質とは、MiniDVの画質のことを意味する様になりました。
DV規格を採用したカムコーダやデッキの多くには、DV端子が備えられており、このDV端子を使用すると、カムコーダやデッキ間でデジタルデータがそのまま転送できるため、画像データなどを劣化させることなくダビングできる特徴がありました。
家庭用ビデオによるカット編集や音声インサート作業が、無劣化で可能となったため、画期的であるとの評価もされていました。
MiniDVの記録時間
MiniDVテープの記録時間は、標準モードで60分となっていて、LPモードを使用すると90分まで記録できます。
※60分テープが最も多く売られていましたが、30分テープや80分テープも売られておりました。
80分テープを使用すれば、標準モードで80分、LPモードで120分の記録が可能でした。
ちなみに、標準DVテープの記録時間は、標準モードで180分、LPモードでは270分となっています。
MiniDVテープでLPモードを使用すると、記録時間を1.5倍に伸ばせるのですが、リスクもあります。
LPモードの良い点は、画質が変化しないまま、記録時間を延ばせることですが、他の機器で再生すると再生できなかったり、ノイズが発生したりするリスクもありました。
LPモードは、記録した機器で自己再生する事を前提にしたモードですので、記録した機器が壊れたり調整がずれたりすると、再生できなくなる心配がありました。
MiniDVのLPモードのリスク詳細については、MiniDVのLPモードはダビングが難しいのページをご参照ください。
MiniDVの画質はSD画質
MiniDVの画素数は「720px × 480px」で、SD画質と呼ばれています。
SDは「Standard Definition」の略で「エスディ」と読みます。
SD画質は、DVDの画質と同じ画質レベルとなります。
DVDの画質と聞くと、良い画質だと感じるかも知れません。
SD画質は、小さい画面で楽しむには最適な画質と言えますが、実際に大画面TVなどで見ると、画質の粗さが分かってしまうレベルです。
SD画質より、もっと良い画質もあります。
SD<HD(ハイビジョン)<フルHD(フルハイビジョン)<4K(ウルトラハイビジョン)<8K(スーパーハイビジョン)の順に良い画質となっていきます。
SD画質はアナログテレビ画質レベルで、HD画質は地上波デジタルの画質レベル、フルHD画質は衛生デジタルの画質レベルとなります。
HDVハイビジョンとの違い
MiniDVテープは、DV規格でSD画質の動画記録ができるだけでなく、ハイビジョン用のビデオカメラを使用することで、HD画質の動画をで記録することができるテープです。
同じMiniDVテープでも、使用するカメラがDV規格のカムコーダなのか、ハイビジョン用のカムコーダなのかによって、2つの異なった記録方式の動画が記録されている可能性がある訳です。
テープの外観からは、どちらの規格の記録内容かが全く分かりませんので、使用した機器を確認するか、実際に再生してみてどちらの記録方式なのかを確認する必要があります。
一般のDV規格用MiniDV機器では、HDVハイビジョンのテープは再生できませんので、ブランクテープを再生している様に何も出力されません。
逆に、HDVハイビジョン機器の多くは、HDVハイビジョンテープとDV規格のMiniDVテープの両方を再生することができますので、HDVハイビジョン機器を使用することで、どちらの規格で記録されているかの判断ができます。。
HDVの画質は、1440px × 1080px 又は 1280px × 720px のハイビジョン画質となっており、画面縦横比率も 16:9 ワイドサイズとなり、DV規格の 4:3 スタンダードサイズとは異なってきます。
そんな一段上の画質を持つHDVハイビジョン規格ですが、MiniDVテープを使用した時の記録時間はDV方式と同じで、60分テープで60分の記録ができます。
画質が良くなるのに、記録時間は変わらないって..すごいと思いませんか?
実は、ちょっと無理しているところがあるので、ノイズが出やすいデメリットはある様です。
DV規格とHDV規格では、圧縮方式が異なっているため、HDV規格の方がエラーによる欠落の影響が大きくなる点がリスクとなりますが、HD画質の16:9で記録できるのは魅力です。
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