画像鮮明度の尺度
画像鮮明度の尺度には、画素数と解像度があります。
でも、画素数や解像度は、定義が分かり難くて、意味が分かりづらいと言う声をよく聞きます。
- 画素数と解像度の違いって何なのか?
- 画素数と解像度の数値は、実際にどの程度の鮮明度を表現しているのか?
- 実用的な画素数と解像度はどのくらいなのか?
画素数と解像度の意味と、これらの違いなどについて、まとめましたので、参考にしてください。
画素数(ピクセル数)とは
画素とは、画像の元となる点のことで、画素数とは、画像が何個の画素で構成されているかを示す数値です。
デジタル時代の現在、ほとんどの画像は、この画素と呼ばれる点のかたまりで構成されています。
「あ」と言う文字を例にして解説します。
16x16画素の「あ」の文字
24x24画素の「あ」の文字
上の「あ」の文字は、縦が16画素、横が16画素の白黒の点で構成された画像で、この画像の画素数(ピクセル数)は、16x16=256画素(ピクセル)となります。
下の「あ」の文字は、縦が24画素、横が24画素の白黒の点で構成された画像でで、この画像の画素数(ピクセル数)は、24x24=576画素(ピクセル)となります。
256ピクセルの「あ」の文字と、576ピクセルの「あ」の文字では、鮮明さがかなり違うことが分かります。
こちらは、文字の例ですが、写真などの画像でも同じ感覚となります。
因みに、弊社写真データ化サービスの画素数は、4608x3456=1590万ピクセルとなっているので、けた違いの鮮明さがあると言って良いと思います。
(1590万ピクセル÷576ピクセル=27,600倍も違います!)
解像度とは
解像度は、単位長さ当たりの画素数のことです。
多くの場合、解像度の単位は、(dpi)で表現されます。
(dpi)は、Dots Per Inchの略で、1インチ(25.4mm)当たりの画素数(ピクセル数)を表現しています。
単位がインチベースになっているので、メートル法に慣れている我々には、なかなか馴染めない単位となっています。
例えば「300dpi」は、メートル法ではどの程度の解像度を示しているのかと言うと、300dpi÷25.4mm=11.8ピクセル/mmの印刷密度のことを表現していることになります。
つまり、300dpiの解像度は、1mmの長さの中に、約12個の画素がひしめき合っている状態と言えるわけです。
面積の観点に言い換えると、1mmx1mmの1ミリ四方の中に、11.8x11.8=139ピクセルもの画素がひしめき合って、画像を作り上げていることになります。
上の「あ」の文字に例えれば、16x16画素の「あ」の文字なら、1.35mmに1つの文字が、24x24画素の「あ」の文字なら、2.0mmに1つの文字が表示される印刷鮮明さと言うことになります。
画素数と解像度の違い
これまでの説明を聞いても、画素数と解像度の違いが、まだ何となく良く分からない??って思いますよね。
画素数と解像度の違いをまとめてみましたので、参考にして下さい。
- 画素数(ピクセル数)
画素数は、文字通り、画素のピクセルがどれだけあるかを表現したものです。
前述の「あ」文字「24x24=576画素」の576が、画素数になります。
すなわち、画像がどれだけの画素によって構成されているかを示した単位と言うわけです。
ですから、例えば、カメラで撮った写真は何画素なのかと言った使い方(カメラで撮った画像の細かさの値)となります。 - 解像度
解像度は、単位距離当たりのピクセル数を表現しています。
dpiなら、1インチ(25.4mm)の距離中に、どれだけのピクセル数を表示しているかを示す単位となります。
ですから、ポスター印刷や写真プリント印刷など、画像が目に見える形となった時に、その画像がどれだけ鮮明なのかを数値化したプリント品質を示す値となります。
カメラで撮った写真などの「きめ細かさ」を画素数で表し、プリントした時の印刷の「きめ細かさ」などを解像度で表現しているのです。
- 同じ画素数の写真を、引き伸ばすと、出来上がりの解像度「きめ細かさ」は、悪くなります。(解像度が低下する)
- 逆に、引き伸ばしても、出来上がりの解像度「きめ細かさ」を同じにしたいなら、画素数を多くする必要がある。(高い画素数が必要)
と言うことになります。
ですから、カメラのきめ細かさは「画素数」で表現し、プリント写真のきめ細かさは「解像度」で表現しているのです。
実は、ややこしい話があるんです。
こんなことがあるから、悩まされてしまうのだと思いますが、たぶんどこかの偉い人が決めてしまったこと?なので、仕方ありません??
<突然ですが、質問です>
PCなどのモニター画面の「きめ細かさ」はどのように表現すると思いますか?
これまでの話をご理解いただけた人なら、表示系のデバイスだから、プリント写真と同じ様に、解像度で例えば(dpi)の様な単位で表現するのが当たり前と思いますよね。
ところが、これが違うんです。
指標の名前は解像度で同じなんですが、なんと、画素数(ピクセル数)を「きめ細かさ」の単位として表現しているのです。
XGAとか、SXGAとか聞いたことがあるとおもいます。
これがパソコン表示系の解像度と呼ばれているもので、XGA(1024px X 768px)、SXGA(1280px X 1024px)などと、画素数で解像度を規定しています。
何とも面倒な話ですが、パソコンモニター系は別ものと思ってください!
どのくらいの画素数や解像度が必要なのか
一般に、写真プリント時の解像度は、実用解像度が(300dpi)以上、推奨解像度が(600dpi)とされていて、300dpiあれば、画質を落とさずにプリントすることができます。
300dpiをプリントするのに必要な画素数
300dpiの「きめ細かさ」は、1インチ(25.4mm)に300画素(ピクセル)が印刷される密度ですから、メートル法に置き換えると、1mmの線上に11.8画素(ピクセル)印刷する密度と言うことになります。
この300dpiのプリント精度を確保するための画素数は、各用紙サイズ毎に以下の通りです。
- Lサイズ :1500px X 1051px = 158万画素
- 2Lサイズ:2102px X 1500px = 315万画素
- A4サイズ:3508px X 2480px = 434万画素
Lサイズの写真を意図するなら、150万画素のカメラで十分と言うことになります。
2Lサイズの写真を意図するなら、310万画素のカメラでOK。
A4サイズの大きな写真を意図するなら、430万画素のカメラが必要と言う具合です。
600dpiをプリントするのに必要な画素数
600dpiの「きめ細かさ」は、1インチ(25.4mm)に600画素(ピクセル)が印刷される密度ですから、メートル法に置き換えると、1mmの線上に23.6画素(ピクセル)印刷する密度と言うことになります。
この600dpiのプリント精度を確保するための画素数は、各用紙サイズ毎に以下の通りです。
- Lサイズ :3000px X 2102px= 631万画素
- 2Lサイズ:4205px X 3000px=1262万画素
- A4サイズ:7016px X 4961px=3481万画素
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