8mm(Hi8)ビデオデッキの中を見たいと思ったことはありませんか?
VHSビデオデッキよりも小さいので、中を見るのが難しいですが、かなり興奮できます。
写真に沿って、動作と構造を解説していきます。
VHSビデオデッキメカの動作と構造については、別ページをご覧ください。
8mmビデオシステムとテープ種類
8mmビデオには、実は3つのシステム(規格)があります。
- Video8
Video8は、本家の8mmビデオです。
元々「8mmビデオ」と呼ばれていたのですが、「Hi8」が登場してから区別のために「スタンダード8mmビデオ」や「Video8」と言う名称で呼ばれるようになりました。 - Hi8
Hi8は、8mmビデオのオプション規格として登場した規格です。
メタルテープの特性を向上させて輝度信号をハイバンド化し、Video8よりも解像度を良くしました。
Hi8が発売されて以降、8mmビデオのHi8化が急速に進み、ほとんどがHi8規格へ移行しました。 - Digital8
Digital8は、Hi8のテープを倍速で走行させることで、DV規格のデジタル画像を記録できる様にしたシステムです。
国内での使用頻度は低かった様です。
この様な経緯から、世の中に出回った8mmビデオの大半は、Hi8規格となっています。
8mmビデオ用テープの例
8mmビデオに使用されたビデオテープは、Video8用ビデオテープとHi8用ビデオテープの2種類です。
Hi8機器では、Video8テープとHi8テープのいずれも問題なく再生できますが、Video8機器では、Hi8テープを再生すると色ムラなどが発生して、再生できないので注意が必要です。
8mmビデオデッキのイジェクターとリール台メカ
いよいよ、8mmビデオデッキメカの探検を始めま~す!
ビデオデッキの内部探検を実施した機器は、SONY製のEV-PR1です。
「Hi8」タイプの8mmビデオデッキとなります。
製品の上蓋を外すと、中央に8mmビデオデッキのメカが見えます。
VHSビデオデッキに比べてメカブロック全体がかなり小さく、この機種では、左側半分が部品の無い空白エリアとなっています。
8mmビデオテープは、写真の手前方向から挿入します。
イジェクターステージの下に見えるのがリール台です。
リール台は、再生時にテープを駆動するだけでなく、早送りや巻き戻し動作させたり、ブレーキをかけてテープを停止させる機能を持っています。
ヘッドドラム側から見たリール台付近の写真です。
左側がテイクアップ側リール台で、右側がサプライ側リール台です。
サプライ側リール台のクロスアップです。
耐久性を考えて、ゴムローラーやベルトは使用していません。
黄色く見えているのは、ブレーキです。
テイクアップ側リール台も、同様にゴム部品は使用されておらず、ギアで回転トルクを伝達しています。
8mmビデオデッキのヘッドドラム周辺メカ
8mmビデオデッキは、VHSビデオデッキに比べて、ビデオテープがかなり小さくなっています。
それに伴い、ドラムや磁気ヘッドもコンパクトになっているため、ヘッド汚れによる不具合が発生し易い傾向にありました。
部品が小さくて細かいのですが、VHSビデオデッキに見られるオーディオヘッド等が無いため、シンプルにも見えます。
写真中央のピンチローラ上方にあるのは、ローディングアームです。
8mmビデオカセットが挿入されると、このプローディングアームがカセットパック内にもぐり込み、ビデオテープを引っ張り出します。
写真中央の黒くて丸い部品は、テープを駆動するピンチローラです。
テープをローディング前の状態写真ですので、リール台近くで待機しています。
ピンチローラは、キャプスタンにテープを押し当てて、一定速度でテープを走行させる役目を果たします。
中央にあるのがキャプスタンです。
メカの下側にキャプスタンモータがあって、キャプスタンを一定速度で回転させます。
8mmビデオデッキの心臓部に当たるヘッドドラムブロックです。
上ドラムと下ドラムで構成されていて、ビデオヘッドが取り付けられた上ドラムは、シャーシ下に取り付けられたドラムモーターによって、高速回転します。
8mmビデオデッキは、ドラムの直径が小さく、ビデオテープの曲角度大きいことから、ヘッド汚れしやすい傾向があります。
そのため、ヘッドクリーナーは重要な機能部品となっています。
写真中央の茶色スポンジがヘッドクリーナーで、メカが動作する度にビデオヘッドをクリーニングしています。
上ドラムの中央付近に小さな小窓が見えると思いますが、その中で少し光って見える部品がビデオヘッドです。
このビデオヘッドが、ビデオテープに対して、斜めに高速回転することで、ビデオテープに記録された映像や音声データのやり取りを行っています。
サプライ側のアームローディング付近の写真です。(ヘッドドラムの反対側です)
中央にある白い部品がローラーで、テープを安定走行させる働きがあります。
違う角度から撮影したサプライ側のローディングアームとローラです。
メカブロック全体を反対側(後ろ側)から見た写真です。
8mmビデオデッキにビデオテープを挿入して走行させる
実際に8mmビデオテープを挿入してみます。
8mmビデオテープは、写真奥側から手前側に向けて挿入します。
イジェクターのステージに8mmビデオテープカセットパックが挿入されると、ステージが動き出し、カセットパックをリール台上部に移動させながら、2階から1階へ降ろす感じで、カセットパックをリール台にはめ込みます。
カセットパックがリール台にハマるとすぐに、左右のアームローディングが、カセットパックの中から、ビデオテープを引っ掛けてメカの方向へ引っ張り出します。
上の写真は、ちょっと見難いですが、テイクアップ側のアームローディングがテープを引き出し、キャプスタンとピンチローラー間にテープを通したところです。
角度の関係で良く見えませんが、テープローディング後のドラム周辺画像です。
角度を横にしてみると、ビデオテープが良く見えます。
アームローディングによって、ドラムブロックにテープが巻き付きました。
こちらは、テイクアップ側のローディングアーム付近のクローズアップです。
画面中央にアームローディングが見え、その奥の方にヘッドクリーナーが見えます。
こちらは、サプライ側のローディングアーム付近です。
ビデオテープをローディングしただけで、走行を始めていない状態なので、テープに若干のたるみが見えています。
白い部品が、サプライ側にあるアイドラ―です。
ビデオテープの送り出しを、安定化させる働きがあります。
8mmビデオのドラムヘッドを回転させてみる
実際に、テープを走行させてみます。
プレイボタンを押すと、上ドラムが回転し、ビデオヘッドがテープを斜めに走査します。
ヘッドドラムが、高速回転しているのを見るのは、なかなか気分がイイです。
8mmビデオテープは、写真の左側(サプライ側)から右側(テイクアップ側)へ、ゆっくりと動いていきます。
こちらの写真は、逆方向から見た時のものです。
※写真は、クローズアップしているので、あまり感じませんが、8mmビデオデッキは、VHSビデオデッキと比べて、とても小さいので、写真を撮るのも大変でした。
※精巧な技術の結晶だと思います!
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