動画フォーマットと拡張子
動画ファイルのことを調べると、動画フォーマットや動画形式、ファイルフォーマットや拡張子、さらにはコーデック??やコンテナ??...
何だか、良く分からない言葉がたくさん出てきてしまい、それらを見るだけで調べることを諦めてしまう人もいるのではないかと思います。
そんな事にならない様に、基本的に必要な内容に絞って動画フォーマットと拡張子の種類などを分かりやすく解説しましたので、ご利用下さい。(初心者向けです)
動画ファイルの構成
動画ファイルは、動画の要素である次の2つのデータで構成されています。
- 映像のファイル
- 音声のファイル
映像データと音データは、別々のファイルに記録されていて、それを同時に再生して、動画を見ていることになります。
映像のファイルと音声のファイルを同時に再生させるって...「難しいんじゃない??」って思いませんか?
それを実現するために使用されるのが、ファイルフォーマット(動画形式)なのです。
動画フォーマットとは
色々な名前が出て来るので、分かり難く思う人が多いと思います。
実は、「動画フォーマット」「ファイルフォーマット」「動画形式」「コンテナ」は、すべて同じことを表現しています。
(以降、コンテナと呼びます)
このコンテナは、「映像ファイル」と「音声ファイル」をまとめるのに使用されていて、たくさんの種類が存在しています。
少し分かり難くなるかも知れませんが、コンテナには、音声ファイルのみが収められるコンテナも存在していて、代表格がMP3です。
映像+音声が収まるコンテナには、AVI、MP4、MOV、MPEG、MKV、WMV、FLV、ASF....などがあります。
音声だけが収まるコンテナには、MP3、MP2、M4A、OGG、FLC....などがあります。
ファイルの拡張子とは
パソコンでファイルを管理することのある人なら、拡張子のことはご存じのことだと思います。
ファイルの拡張子とは、ファイル名の後に「.」がついて、その後に3文字か4文字の英数字が付く部分のことです。
この拡張子は、ファイルの種類を示すもので、拡張子によって、何のファイルなのかが、分かる様になっています。
例えば、「.jpg」ならJPEG形式で圧縮された画像ファイルですし、「.doc」ならWordのファイルと分かります。
動画コンテナの拡張子は、以下の様になっています。
- AVI : .avi
- MP4 : .mp4 .m4a
- MOV : .mov .qt
- MPEG : .mpeg .mpg
- MKV : .mkv
- WMV : .wmv
- FLV : .flv
- ASF : .asf
この様な拡張子の付いたファイルは、動画が収められたコンテナと言えます。
コーデックとは
動画のファイルについて調べていると、もう一つ、聞きなれない用語が、良く出てくると思います。
それは「コーデック」です。
横文字の難しそうな言葉を聞いただけで「分からないから、もういいっ...」って思いがちですが、少し話を聞けば「何だそう言うことなのか...」と納得できると思います。
「コーデック」とは、データ圧縮の時に使われる処理手順(アルゴリズム)のことです。
- 画像1枚1枚を圧縮する
- 同様画像が連続する動画部分を圧縮する
上記の2つの圧縮作業を行う処理手順プログラム(アルゴリズム)をコーデックと呼んでいます。
ですから、動画フォーマットとコーデックは、全く違うものなのです。
主な動画「コンテナ名」「拡張子」「使用できる映像コーデック」「使用できる音声コーデック」表にまとめましたので、参考にしてください。
表中のMPEG2部分を見て下さい。
コンテナ名も、拡張子も、コーデックもMPEGとなっています。
この様な命名が、我々を混乱させているのです。
良く使用される動画フォーマットの特色
前述の通り、動画フォーマット(コンテナ)には数多くの種類があります。
主なコンテナについて、その特徴を簡単に説明しておきますので、参考にしてください。
AVI
- AVIは、マイクロソフトWindowsの標準動画形式です。
- ほとんどコーデックが使用でき、互換性や汎用性が高いです。
- 他のコンテナに比べて機能が低いのが弱点です。
- 知名度は抜群です!
MP4
- MP4は、色々なOSやブラウザ、スマホなどに対応している形式です。
- 最新の機器ならほとんどの機器で再生可能です。
- AVIに比べて機能が豊富なのが特徴です。
- 現状、MP4を使っておけば、まず問題ないと思います、
MOV
- MOVは、Appleの標準動画形式です。
- Windowsユーザーにはなじみがありませんでしたが、MAC普及で広がりを見せています。
MPEG2関連は分かり難い
MPEG関連は、かなり分かりづらくて、理解できないと言う方も多いと思います。
先にも述べましたが、MPEG2は、これから説明する「MPEG2-PS」のことを指すだけでなく、「MPEG-2」コーデックのことを指すこともあるので、混乱を来してしまうのです。
更に、MPEG2には、「MPEG2-PS」と「MPEG2-TS」の2種類が存在しているので、さらにややこしくなっています。
それでは、その2種類のMPEG2コンテナについて、解説します。
MPEG2-PS
- DVDに使われているコンテナです。
- 映像を処理してデジタルデータ録画したりする時(キャプチャ時)には、このコンテナが使用されます。
- MPEG2-TSよりもファイルを小さくできるのが特徴です。
- ランダムアクセスに優れています。
ちなみに、DVDに記録されているファイル拡張子は「.vob」となっていますが、中身は「MPEG2-PS」です。
拡張子を「.mpg」に変えても、そのまま再生できます。
MPEG2-TS
- ブルーレイや地上波TV放送で使用されているコンテナです。
- ハイビジョンカメラにも使用されています。
- データが途切れても再生可能なのが特徴です。
- 単に「TSファイル」と呼ばれることもあります。
「MPEG2-PS」と「MPEG2-TS」は、構造が違うだけで、画質は同レベルです。
MKV
- ほとんどのコーデックに対応しています。
- 字幕表示、多重字幕、多重音声などに対応した一番多機能なコンテナです。
- ファイルが欠けても再生できるのが特徴です。
- Windows10で標準対応されたので、使用率が増加しています。
WMV
- 「WMVコーデック」専用のコンテナです。
- 著作権保護の機能を付加できるのが特徴です。
- 構造は「ASF」と同じです。
FLV
- 「Adobe Flash Player」がサポートするコーデックを再生できるコンテナです。
- 該当コーデックが無くても、Adobe Flash Playerがインストールされていれば、Adobe Flash Playerがサポートしている動画ならすべて再生できます。
- Adobe Flash Playerは、使われなくなってしまったので、現在ではほとんど使われていません。
ASF
- 「AVI」の良いところを継承し、悪いところを解消したコンテナです。
- ストリーミング再生に対応しているのが特徴です。
- 知名度が低いのに加えて互換性が低いので、使用率は上がっておらず、いまでもAVIが継続的に使用されている状態です。
目的に合わせて動画フォーマットや拡張子を選択する
何で、こんなにたくさんの動画フォーマットや拡張子があるのかと思いますよね。
でも、上記の特徴などを見ればだいたいお分かりかと思いますが、開発元がちがっていたり、改善するために変更を加えて違うものにしたり、それらが混ざって存在しているのです。
例えてみれば、カレーですね。
カレーは、各メーカー毎に開発されていて、味は違いますよね。
さらに、同じメーカーのカレーでも、色々な種類があって、味が違っていたり、辛さが違っていたり、色々なバージョンが存在します。
スーパーへ行けば、そんなカレーがたくさん並んでいるわけです。
カレーの種類の多さと比べれば、コンテナの方がまだマシ...とは思えないでしょうか?
どのカレーを買うのか??を迷うのと同じで、どのコンテナを使うのが良いかを迷った時のヒントをまとめておきますので、参考にしてください。
- 良く分からなくて迷った時
「mp4」を使いましょう。まず間違えありません。 - Windowsユーザで画質を劣化させたくない時
「AVI」で可逆圧縮コーデックを使用しましょう。 - MACユーザで画質を劣化させたくない時
「MOV」でUt Videoコーデックを使用しましょう。 - Windowsユーザで画質をあまり劣化させずにサイズを小さくしたい時
「MP4」または「AVI」で「H.264」コーデックを使用しましょう - MACユーザで画質をあまり劣化させずにサイズを小さくしたい時
「MP4」または「MOV」で「H.264」コーデックを使用しましょう
コメント