VHS-Cビデオテープの分解と組立方法

VHS-Cビデオテープの分解組立
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VHS-Cビデオテープとは

VHS-Cカセットは、ベータマックスに対抗して開発されたビデオ一体型カメラ用のビデオテープです。

大きさは、VHSフルカセットテープの約1/3で、ムービー撮影用に作られました。

VHS-Cビデオテープの詳細は、VHS-Cカセットとアダプターのページで解説していますので、参考にしてください。

VHSテープとVHS-Cテープ

弊社の名称由来の映画について気が付かれた方もいるかと思いますが、「バック・トゥー・ザ・フィーチャー」のパート①に登場していたビデオカメラは、1985年から時を超えて1955年に持参したJVCのVHS-Cカムコーダーで、VHS-C初の一体型カメラでした。

映画にも登場するほどの最先端技術だったわけです。

VHS-CテープアダプターにVHS-Cテープを挿入しているところ

VHS-Cビデオテープのすごいところは、上の写真の様に、ビデオテープをアダプターにハメ込めば、VHSフルカセットと完全互換となることです。

世界で最も愛されたVHSビデオテープに、あっと言う間に変身してくれるんです。

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VHS-Cビデオテープはテープ保護ガードが甘い

VHS-Cビデオテープは、フルカセットのビデオテープに比べて、磁気テープを保護する防衛能力が甘いのです。

VHS-Cテープのカバーを開けたところ

テープを保護する開閉式のカバーにロック機構があるのですが、ロック強度が弱いので、指で開けようとすると、ロックがかかった状態でも開いてしまいます。

それだけでなく、テープリールをロックする機構も弱いので、開閉式カバーを開けた状態で、指でテープを引っ張れば、テープがズルズルと出てきてしまいます。

こんな感じなので、子供の遊び道具になってしまい、テープがぐちゃぐちゃになってしまったり、切れてしまった経験のある方も多いのではないでしょうか?

VHS-Cテープのテープ裏側のフックの位置

そんなビデオテープを修理したくても、VHS-Cカセットは、VHSフルカセットテープに比べて小さいので、分解しても元に戻せなくなるのではないかと心配で手が出せなかった人もいると思います。

ご心配の通りで、テープ内の構造を知らずに、テープを分解してしまうと、ケース内の細かい部品が、周辺に飛び散ってしまい、組立不可能?なんて言う最悪事態になりかねません。

細かい部品が入っていますし、ネジを外しても、上下のケースがフックで引っ掛かっているので、分解にはコツが必要です。

こちらのページを見ながら進めれば、コツや注意点を理解しながら、安全にVHS-Cテープを分解組立できます。

前置きが長くなりました。

早速VHS-Cビデオテープの分解組立方法を解説してゆきます。

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VHS-Cビデオテープの分解方法

※ このページの写真はTDK製の例ですが、他メーカ製は細かい部分の形状が異なります。

VHS-Cビデオテープの外観

VHS-Cテープの表面側
上の写真は、VHS-Cビデオテープの表側です。

VHS-Cテープの裏側
上の写真は、VHS-Cビデオテープの裏側です。

4個の穴の奥の方にねじがあり、その4本のねじを外して、上下のカセットケースを分解するのですが、その前に背ラベルをカットします。

背ラベルのカット

VHS-Cビデオテープの背部分に貼られたラベルは、上側カセットパックと下側カセットパックの両方に貼り付いていますから、ビデオテープの分解前に、上下カセットパックの切れ目部分でカットしておく必要があります。

VHS-Cテープのラベルをカットしたところ

カッターを上下のカセットケースの隙間に充ててから、定規でカットラインを決めて、定規に沿ってカットします。

VHS-Cテープのラベルをカット部の拡大

※ 定規をかなり力強く押さえつけながらカットします。
  力が弱いと、カッターの位置がずれてしまうので要注意です!

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固定用ネジの取り外し

背ラベルがカット出来たら、カセットパックの裏側のネジを外します。

VHS-Cカセットのネジ締め位置

ネジの位置は写真の赤丸部分で、全部で4本です。

・TDKの場合は、穴が細くて奥の方にネジがあるので、細めのドライバーが必要です。
・Maxellの場合は、中央の2つが大きめのネジで、左右の2つは小さめのネジとなります。
・Victorの場合は、穴が大きいので、通常太さのドライバーでOKです。
・Panasonicの場合は、全て大きめのネジで、穴が深くないタイプとなります。

ネジの大きさや形状は、メーカーによって異なりますので、形状に合ったドライバーを選択して、ネジを緩めて下さい。

※ ご注意!
ネジを外したら、カセットパックを裏返して、表側が上にくる様に置いてください。
裏側が上を向いた状態で上下のカセットパックを外すと、カセットパック内の細かい部品が全部外れて収拾がつかなくなります!

上下カセットパックを留めているフックを外す

4本のネジを全て緩めても、そのままでは上下のカセットパックは外れません。

VHS-Cテープの固定ツメ

下側のカセットパックにフックがあって、上側のカセットパックを固定しているからです。

VHS-Cカセットの上下をつなげるフック

赤丸の部分でフックが固定されていますので、これを小さめのマイナスドライバーやピンセットなどで、押し込んで解放します。

VHS-Cカセットの上下をつなげるフック

上下カセットパック固定用のフックは、反対側のテープ走行側にもあります。

※ テープ走行側のフックについて
・TDK製は、写真の赤丸の場所にフックがあります。
・Maxell製は、写真とは違い中央に近い場所にフックがあります。
・Victor製は、Maxell製と同様、中央に近い場所にフックがあります。
・Panasonic製は、テープ走行側にフックはありません。

このフックを外す場合には、ビデオテープに傷がつかない様に注意して作業する必要があります。

※ フックを外す時は、必ずカセットパックを上向きにした状態で進めて下さい。
  裏返しの状態(ネジを外したままの向き)でフックを外すと、パック内の部品が皆バラバラに外れてしまいます。
※ 指で直接テープに触れないでください。 ヘッド汚れの原因となります。

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カセットパックを開ける

ネジを外してフックを解放すれば、力を加えなくても上下のカセットパックは分離して、カセットパックを開けることができます。
VHS-Cテープのケースを外したところ

カセットパック内の部品が飛び散らない様に注意しながら、ゆっくりとカセットパックを開けて下さい。

VHS-Cテープの内部

テープ走行ルートを確かめる

上側カセットパックを外したら、テープ走行ルートを良く確かめておきましょう。

VHS-Cテープのサプライ側ローラー

VHS-Cビデオテープのカセットパックは、VHSフルカセットパックよりも繊細なテープ走行が求められるため、テープパスの機構が複雑になっています。

テープ走行を滑らかにするためのローラーは3本あって、VHSフルカセットの2本よりも安定性が増しています。

VHS-Cテープサプライ側のローラー

上の2つの写真は、巻取り側リールにテープ供給するローラー部分を拡大したものです。

メインの金属ローラーを、プラスチックの2つのローラーが、アシストしています。

VHS-Cテープ供給側のローター

上の写真は、供給側リールから出て来るテープを安定走行させるローラーの拡大写真です。

VHS-Cテープの供給側のローター

供給側の構造も巻取り側と同様に、メインの金属ローラーをプラスチックローラーがアシストしているのが分かります。

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リールストッパー機構

下の写真のスプリング周辺部分は、テープが出てこない様にするためのストッパー機能となっています。

VHS-Cテープのストッパースプリング

スプリングによって、適度な力が加わるので、適度なストッパーとなっています。

VHS-Cテープのストッパー機構を取り外したところ

ストッパーロックの状態にあっても、リールを動かす操作をすると、ある程度の力が加われば、解放されます。

テープにダメージが加わらない様に、細かい設計がされているのです。

テープリールを外す

カセットパックから、テープリールを外してみました。

VHS-Cテープのリールを外したところ

テープパスは、こんな感じです。

VHS-Cテープのテープパス

テープリールを外すと、テープ走行ルートが見やすくなります。

テープリールを外す場合は、細心の注意を払って外してください。

※ ご注意!
テープに直接触らないでください。
手についている油成分などがテープを汚してしまい、ビデオヘッド汚れの原因となります。

上側カセットパックについて

上側カセットパックの写真も載せておきます。

VHS-Cテープの上カバーの内側

VHS-Cビデオテープの上下カセットパックを外してしまえば、上側のカセットパックは部品落ち等の心配もなく、安心して扱えます。

上側カセットパックには、テープを保護するための開閉可能なリドが付いています。

VHS-Cテープの上カバーのリド開閉機構

上の写真は、リド開閉機構をクローズアップしたものです。

※ 上側カセットパックは、手を加える必要性があまり無いと思いますので、作業が終わるまで、触らずに保管することをおすすめします。

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VHS-Cビデオテープの組立方法

VHS-Cビデオテープの組立は、分解できたのだから簡単だと思い勝ちですが、実は結構難しい面があります。

テープ走行ルートが分からなくなってしまうのが、その原因です。

テープリールを下側カセットパックから外す時に、テープパスを確認した筈なのに、いざ組立て様とすると、良く分からなくなってしまうのです。

そんなことにならない様に、分解する前にデジカメなどで、テープパスを記録しておく方法ががおススメです。

VHS-Cテープの巻取り側ローラー

デジカメ記録が無くても、こちらの写真を見れば、テープ走行ルートが確認できますから、参考にしてください。

上の写真は、巻取り側のローラー部分です。

VHS-Cテープの供給側ローラー

こちらの写真は、供給側のローラー部分です。

ローラ等の部品が外れてしまい、バラバラになった時にも、これらの写真を参考に組立できると思います。

VHS-Cテープのテープをハメたところ

写真は、下カセットパック上の全ての部品を組み立てた状態です。

ここまで、組み立てられれば、後は上側カセットパックを上からかぶせて、固定用フックをカチッとロックして、ネジを締めれば組立完了です。

VHS-Cテープの表面側

作業に当たって、結構緊張されたかと思います。

大変、ご苦労様でした。

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