8mmビデオテープの分解組立は簡単
VHSテープなどの大きなテープは、分解しても元に戻せる気がしますが、8mmビデオテープなどの小さなビデオテープは、小さすぎて失敗しそうな気がしませんか?
大切な記録が残されているテープであれば、なおさら心配してしまうものです。
でも、こちらのページを見ながら進めれば、8mmビデオテープは問題なく分解や組立ができますので、お試しください。
実は、8mmビデオテープの分解組立は、VHSテープなどに比べて、簡単でリスクが少ないのです。
それでは、始めましょう!
8mmビデオテープの分解方法
8mmビデオテープは、上下のカセットパックを5本のネジで止める構造となっています。
これらのネジは、VHSテープなどに比べてかなり小さいネジです。
普通のドライバーではネジを回せませんので、ヘッドの小さな精密ドライバーなどを用意しましょう。
一般的に家庭で使用しているドライバーで、ムリに外そうとすると、ネジ山を破損してしまい外すことができなくなる可能性がありますので、必ずサイズのあったプラスドライバーを用意して下さい。
【必要な工具】
・プラスの精密ドライバー(+1.5 #00のドライバー)
・カッター
・ピンセット(テープルート再設定用)
※ネジサイズは異なることがありますので、現物合わせしてください。
背面ラベルをカットする
ビデオテープの分解を始める前に、背面ラベルをカットします。
いきなりネジを外してしまうと、背面ラベルが上下のカセットパックを接着しているため、うまく外すことができませんので、注意が必要です。
8mmビデオテープは、VHSビデオテープなどに比べてコンパクトに作られているため、この背面ラベルのカット作業は結構難しいです。
当社では、若干粘着性のある透明素材を、直線の定規状に切り出した治具を用いて、背面ラベルのセンターにあてがってから、カッターの刃を滑らせる様にしてカットしています。
カットした部分は、再組み立ての時にピッタリ付く様になりますので、ほとんど目立たなくなります。
背面ラベル全体を、うまく剥がせる場合がありますので、試してみるのも良いですが、一度剥がしたラベルは接着力が低下していますので、再接着時に剥がれる心配があります。
ネジを外す
いよいよネジ外しの工程に入ります。
カセットパックを裏返しにします。
色々な穴が開いていますが、四隅の穴に4本、中央付近の穴に1本ネジが付いているのが見えますので、良く見てから作業して下さい。
順番はあまり関係ありませんが、四隅から始めて、最後に中央のネジを外すのが良さそうです。
ネジを外すドライバーは、前述の通り(+1.5 #00)のドライバーが必要となります。
1.5はドライバー先端の直径が1.5mmであることを表していて、結構小さな精密ドライバーです。
8mmビデオテープは、一般的なドライバーでは開けられませんので、事前に準備する様にしましょう。
【ちょっと待ってください!!】
ネジを外しても、すぐに上下のカセットパックを開けないでください。
カセットパックが裏返しの状態で開けてしまうと、リールなどの部品が全てバラバラになって落ちてしまい、もとに戻す方法が分からなくなってしまいます。
ネジを外したら、すぐにカセットパックをひっくり返して、表側が上になる様にしておきましょう。
表側カセットケースを外す
カセットパックの外し方にはコツがあります。
上カセットケースを外す前に、上から見て左上のところにあるフックを左手の指で軽く引っ掛け、カセットリドのロックを外します。
そして、右手の指先でカセットリドを持ち上げてリドを半開にさせた状態で、上カセットケースを外します。
リドを開けない状態で上カセットケースを外してしまうと、テープにダメージを与えてしまいますので、必ずこの様にしながら外して下さい。
背面ラベルがきれいに切れていないと、うまく外れない事があります。
その様な場合には、上下のカセットパックが完全に合体した状態で再度ラベルカットします。
(何個かのネジを締めなおしてから再カットするのがオススメな方法です。)
背面ラベルが完全にカットされていれば、上下のカセットパックは容易に外れます。
【注意点】
リドを開けるフック部分についている小さなバネが飛び出してしまう事がありますので、振動を与えない様に注意しながら外して下さい。
この小さなバネが外れてしまうと、バネを正規の位置に戻すことができなくなります(素人ではほとんど戻す事はムリです)ので、注意して下さい。
カセットリールを外す
上カセットパックを外せたら、カセットパックの中を良く観察して、8mmビデオカセットパックの構造やテープのルートを覚えて下さい。
8mmビデオテープの構造は、VHSテープなどよりも簡単です。
テープが走行する部分に、回転するスリーブなどが一切ないので、分からなくなったりすることはあまりありません。
長期間保管したテープでは、テープが左右のテープ出入口のR部分に貼り付いてしまっていることがあります。
勢いよくテープを剥がしたり走行させたりすると、テープ切れとなる可能性があります。
ゆっくりと慎重にピンセットなどで剥がして下さい。
ルート確認したら、左右のテープリールを下側カセットパックから取り出します。
取り出すときは、テープの貼り付きに注意する以外は、特に問題となることはありません。
下側カセットパックの中央部に、左右リールのストッパー機構があります。
テープリールの下側についている歯車と、ストッパーの羽根がかみ合って、テープが弛まない設計となっています。
ストッパー機構には、リールがテープが張る方向へは回りますが、テープが弛む方向へは回らないスゴイ機能があります!
8mmビデオテープの組立方法
8mmビデオテープは、スリーブなどの部品を使用していないので、組立も簡単です。
次の順序で組み立てを進めましょう!
テープパス位置を定める
テープパス位置は複雑ではないので、簡単に決められます。
下の写真を参考にして、テープリールを下側カセットパックにはめ込んで下さい。
テープパス部分にテープを入れて、テープリールを下側カセットパックにをはめ込んだら、ストッパー機構がきちっとリールの歯車に噛み合っているか確認してください。
ストッパー機構が上側に向いてしまって、歯車に噛み合っていない時には、ストッパー機構を上から指で押さえつけて、歯車に噛み合うように位置を修正します。
ストッパーを確認したら、テープの弛みを無くす方向にリールを回転させます。
ストッパー機構がカチカチと音を立てながら、リールが回転してゆきます。
テープがピンと張ったら、ストッパー機構が働いて、ピンと張ったままの状態でリールを固定してくれます。
上カセットケースをハメて固定する
下側カセットケースの準備が整ったところで、上カセットケースをハメますが、このケースをハメる時が組立時の重要な注意ポイントとなります。
写真の様に、左手の中指でリド開閉フックを押さえてロックを開放させてから、人差し指でリドを持ち上げて下さい。
リドの持ち上げは、右手の人差し指を使って、リドの右側で持ち上げても構いません。
リドが開いたら、その状態のままで下カセットケースと合体させます。
リドを開けない状態でケース合体をさせないでください!
テープがリドの中に入らない為に、テープダメージとなってしまいます。
合体が完了したら、カセットを裏返しにします。
手を外してしまうと、リールの上部に位置するバネの力で、合体した上下のカセットケースが離れて浮き上がってしまうので、ネジを締めるまでは、写真様に指で押さえ続けて下さい。
あとは、ネジを締めるだけです。
四隅のネジと中央のネジの合計5本のねじを締めて完成です。
ご苦労様でした!
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