MiniDVのLPモードはダビングが難しい

MiniDVのLPモード
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MiniDVカセットパック

MiniDVのカセットパックは、8mmビデオよりもさらに小さくなっていて、横幅が66mm、縦が48mm、厚みが12mmのコンパクトサイズです。

MiniDVビデオテープの例

必ずどこかに「DV」の文字が印刷されていますから、他のテープと見分けがつきます。

MiniDVのカセットパックは、カラーバリエーションがたくさんあって、とてもカラフルです。

黄色や赤のカラーパックは、見るだけで楽しくなってしまうほどです。

MiniDVビデオテープの例

MiniDVは、8mmビデオやVHS-Cとは全く違った記録方式を採用しています。

8mmビデオやVHS-Cがアナログ方式なのに対して、MiniDVはデジタル方式なのです。

そのため、カメラが小型軽量化できただけでなく、圧倒的に画質が改善されて良くなりました。

良い事づくしだと思うのですが、一つだけ問題点がありました。

それはLPモードでの録画再生の互換性問題です。

カメラで撮影して自己録再で見た時には気が付かなかったこの問題は、何年も経ってから顕在化することになります。

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MiniDVのSPモードとLPモード

MiniDVのLPモードは、長時間記録用モードとして、ビデオカメラで設定することができました。

ビデオカメラの取扱い説明書には、以下の様に記載されていました。(取説例はSONY機器のものです)

MiniDVビデオカメラの取扱い説明書の抜粋

SP(標準)モードの1.5倍の録画時間となることが記載されています。(左上)

MiniDVビデオテープは、結構高価でしたので、魅力的な記述です。

続けて、「LPモードで録画したテープは、本機で再生することをおすすめします。」

と記載があるのですが、理由などの説明はありません。

189ページ(右上)を見ると、
「他機で記録したテープを本機で再生すると、モザイク状のノイズが現れることがあります。」
と説明されています。

ここでやっと「モザイクノイズ発生」が理由だとが分かるのですが、「本機でLPモード記録したテープはどうしたら良いのか」については何も書かれてはいません...

MiniDVビデオテープに記載されたLPモード記録時間

それだけでなく、MiniDVのビデオテープを見ると、LPモードでは1.5倍の録画時間を使用できると理解できます。

これらの状況から、互換性に問題があるとは思わずに、LPモードを使用してしまった方が、多くいらっっしゃるのではないかと思います。

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MiniDVのLPモードの保証内容

もうお気づきの事とは思いますが、MiniDVのLPモードは「撮影されたビデオカメラでのみ再生を保証」しています。

言い換えれば、他の機器での再生は保証されていないことになります。

MiniDVビデオテープの説明書(TDK)

上の説明書は、TDKのMiniDVビデオテープに挿入されているものですが、

「録画に使用した機器以外で再生した場合、モザイク状のノイズの出る場合があります。」

とあり、注意喚起はされていますが、こちらも気が付いた方は少ないのかもしれません。
(他社のテープも同様な内容が表記されています)

「撮影したビデオカメラ」って...永久に使用できるものでしょうか?

ひょっとして、メーカーは「永久使用が可能である」と本気で信じて製品開発したのかも知れませんが、そんな事はあり得る筈はなく、他の機器を使用せざるを得なくなる事は明白だったのだと思うのです。

今になって、「あの時SPモードで撮影していれば、子供の姿を今でも見ることができたのに...」と後悔されている方もいると思います。

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LPモード動画再生時の症状

LPモードで記録されたテープを他の機器で再生すると、どの様なノイズが発生するのでしょうか?

実例を紹介しておきます。

MiniDV LP再生時の画像乱れの例

こちらはブロックノイズの例です。

パラパラと、ブロックノイズが発生する場合もありますが、ひどくなるとこの例の様に内容が分からなくなるほどブロックノイズの発生することがあります。

MiniDV LP再生時の画像乱れの例

こちらの例は、ゼブラ状になってしまった例です。

ゼブラになっている半分の部分では動画が見えているのですが、残りの半分は前の画面が固定されて映っている状態です。

動画が見えている部分などで、さらにブロックノイズが発生することもあります。

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LPモードで撮られた動画のダビング方法

LPモードで記録された動画は、必要最小限の情報しか記録されていないことから、互換性が犠牲にされています。

そのため、録画時と再生時に少しの違いがあっても再生が困難となるのです。

録画時に使用した機器であっても、時間が経過したりショックが与えられたりすることで、微妙な変化が生じてしまい、この様な互換不良が発生することがありますから、注意が必要です。

再生時やダビング時に、上記の様な症状が発生した場合には、次の対処をしてみて下さい。

  • テープを巻き戻しや早送りしてから、再生してみる。
  • テープをEjectしてから再投入して、再生してみる。

症状が軽い場合には、この様に対処することで、ブロックノイズが改善されることがあります。

テープ位置の微妙な違いでも再生可能となる場合がありますから、挑戦の価値はあります。

もし、何台もMiniDV機器をお持ちであれば、色々な機器で試してみるのも良い方法です。

「当たるも八卦」方式なのですが、うまく当たる場合もあります。

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弊社のLPモード対応方法

そんなLPモードで記録されたテープでも再生できる機器が、世の中に1つだけ存在しています。

それが、SONYのプロ仕様の業務用機器「DSR-2000」です。

弊社がMiniDVのLPダビング時に使用するSONYのDSR-2000

この写真は、弊社が使用しているDSR-2000です。

弊社では、このDSR-2000を使用してLPモードのダビングを行っております。

互換性を最良にする方法は、撮影した機器で再生することです。
DSR-2000は、LPモードでも再生可能な唯一の機器ですが、互換性と言う意味では実際に撮影された機器にはかないません。
カメラの経年変化などにより、標準状態から外れてしまったテープでは、どうしても若干のブロックノイズが残ってしまう場合があります。

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